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プラスチックのポリプロピレン (PP樹脂) メリット・デメリットについて紹介  
豆知識

ポリプロピレンのメリット・デメリットについて紹介

ポリプロピレンとは何か?

ポリプロピレンの概要と特性

ポリプロピレンはプラスチックの一種です。この樹脂は、合成樹脂の中で生産量が非常に多く、比重が0.9と軽量な材料として知られています。熱可塑性樹脂であり、熱を加えると変形する性質を持ちますが、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性、軽量性に優れているため、自動車部品や食品容器、医療機器など多岐にわたる用途で使用されています。

ポリプロピレンの化学的性質

ポリプロピレンの比重が0.9であることから、水に浮くほどの軽量性を有しています。耐熱性も高く、熱可塑性樹脂の中で耐熱温度が比較的高い傾向にあります。また、薬品による影響を受けにくく、科学機器や医薬機器などにも多く採用されています。機械的強度に優れ、表面が硬く耐摩耗性も高いため、様々な用途に適しています。
切削加工や曲げ加工などの加工が容易であり、射出成形や押出成形などさまざまな製法に対応できるため、低コストで大量生産が可能です。一方で、耐候性には乏しく、日光に当たると白くなる可能性がありますが、酸化防止剤などの添加剤を用いることで改善が可能です。接着性にも乏しいため、接着の際には表面の下地処理が必要となりますが、金属を接着するほどの強度を得るのは難しいとされています。印刷にも同様に下地処理が必要です。
さらに、ポリプロピレンには多くのグレードが存在し、グレードによって強度に幅があります。一般的なグレードにおける引張強度は約30MPa程度で、引張弾性率(ヤング率)は6002200MPa、曲げ強度は2547 MPaの範囲にあります。熱にも強く、耐熱容器などに使用される場合、100℃近い温度で連続使用が可能です。
これらの特性から、ポリプロピレンは非常に汎用性が高く、多様な用途で使用されていることがわかります。耐熱性、耐薬品性、加工しやすさなどの特性が、その広範な応用を可能にしています。

ポリプロピレンのメリット:軽量で加工しやすい

軽量であることのメリット
ポリプロピレンは、その比重が0.9と非常に軽量です。比重が1よりも低いため、水に浮くほどの軽さを持っています。この軽量性は、製品の軽量化を目的として様々な用途で利用されます。例えば、自動車の部品や家庭用品など、軽量であることが求められる製品に適しています。

加工しやすいことのメリット
ポリプロピレンは加工性に優れているため、様々な成型方法に適応します。具体的には、射出成型、押出成型、ブロー成型、真空成型など、多様な製法で加工が可能です。これらの製法は、大量生産に適しており、製品の形状や用途に応じて様々な方法で加工できる柔軟性があります。例えば、射出成型は約200℃近い高温でプラスチックを溶かし、金型に流し込んで冷却する方法で、ビール用のコンテナやハサミの取手など、大きなサイズや複雑な形状の製品製造に適しています。押出成型は同じ断面の製品を安定して作ることができ、レジ袋や排水管などの製造に用いられます。中空成型は空洞がある製品に適しており、バケツや医療用容器の製造に利用されます。

このように、ポリプロピレンの軽量性と加工性の高さは、多岐にわたる用途での利用において大きなメリットとなります。そのため、日常生活で使用されるさまざまな製品に広く採用されています。

耐熱性と耐薬品性:PPの用途を広げる

耐熱性のメリット
ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂の中でも特に耐熱温度が高い傾向にあります。この耐熱性により、ポリプロピレン製の容器は電子レンジにも対応でき、高温の飽和水蒸気での滅菌処理も可能です。耐熱温度の範囲は121℃から160℃であり、これにより食品容器や電子レンジ対応容器などの用途で広く使用されています。

耐薬品性のメリット
ポリプロピレンは薬品による影響を受けにくく、特に酸性やアルカリ性の溶液に対して高い耐性を持ちます。ただし、酸化性酸には侵される傾向があります。この耐薬品性のため、科学機器や医薬機器などに多く採用されており、有機溶剤に対しても常温で耐性があります。硝酸や鉱物油を除けば、一般的な薬品に対しても良好な耐性を示します。

高い機械的強度:耐久性のある素材

機械的強度のメリット
ポリプロピレンは、引張り強度、圧縮強度、衝撃強度などの面で優れた機械的性質を示します。これにより、表面硬度が高く、耐摩耗性も良好です。例えば、ポリプロピレンの引張強さは3141MPaで、高密度ポリエチレンの引張強さ2331MPaよりも高い値を示します。これらの特性は、自動車部品、家電部品、包装フィルム、食品容器、キャップ、トレイ、コンテナ、パレット、衣装函、繊維、医療器具、日用品など、日常生活で頻繁に使用される製品にポリプロピレンを適した素材としています。

これらの特性を総合すると、ポリプロピレンはその耐熱性、耐薬品性、機械的強度により、日常生活から工業用途に至るまで、幅広い分野で優れた性能を発揮することがわかります。特に、耐熱性と耐薬品性は食品容器や医療器具の製造において重要な特性であり、機械的強度は製品の耐久性と信頼性を高める上で不可欠です。

ポリプロピレンのデメリット

日光に弱い:耐候性の問題
ポリプロピレンの主なデメリットの一つは、耐候性の欠如です。日光に長時間さらされると、ポリプロピレンは白化することがあります。これは、紫外線による劣化現象で、屋外での使用や長期間の日光露出によって、材料の色や性質が変わることを意味します。このような特性は、屋外用製品や長期間日光にさらされる環境での使用には不向きであることを示しています。

接着性に難あり:加工上の課題
もう一つの大きなデメリットは、ポリプロピレンの接着性の問題です。ポリプロピレンは、「ぬれにくい」性質を持っており、一般的な瞬間接着剤や木工用接着剤ではほとんど接着できません。このため、ポリプロピレンやポリエチレンを接着する場合、特別に開発された接着剤を使用する必要があります。ポリプロピレンやポリエチレンの表面を特別なプライマー(表面処理剤)で処理してから接着剤を使用することが一般的な接着方法です。

これらのデメリットは、ポリプロピレンを使用する際に考慮する必要がある重要な点です。耐候性の問題は屋外での使用や長期的な日光露出に影響を与え、接着性の問題は製品の修理や加工の際に特別な配慮が必要となります。これらの特性を理解し、適切な用途と条件でポリプロピレンを使用することが重要です。

まとめ:ポリプロピレンの特性と用途、加工性と耐久性のメリット、そして注意点

ポリプロピレンは軽量で汎用性の高い熱可塑性樹脂であり、耐薬品性や耐摩耗性に優れています。
比重が0.9で、水に浮くほどの軽量性を有し、耐熱性が高いため多様な用途に適しています。
加工が容易で、射出成型や押出成型など低コストでの大量生産が可能ですが、耐候性に欠ける場合があります。
接着性が低いため、特別な下地処理や接着剤が必要です。
多くのグレードが存在し、引張強度や曲げ強度に幅がありますが、耐熱容器などに使用される際は100℃近い温度での連続使用が可能です。
軽量性と加工性の高さは自動車部品や家庭用品などに大きなメリットをもたらしています。
耐熱性により電子レンジ対応容器や滅菌処理が可能で、耐薬品性も高いので科学機器などにも使用されています。
引張り強度や衝撃強度に優れ、耐摩耗性が良好で日常生活の多くの製品に採用されています。
日光に弱く、耐候性の不足は屋外使用には不向きであり、接着性にも課題があるため、特別な対策が必要です。

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