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スキンパックは真空包装やMAP包装などとどう違う?
豆知識

スキンパックは真空包装やMAP包装などとどう違う?

 食品をはじめ、多種多様な商品に利用されている包装。
ここでは各種の包装方法の中から、スキンパック・一般的な真空包装・深絞り包装・MAP包装の4種類をピックアップし、それぞれの違いを比較しました。
包装機の導入をお考えの企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。

 

スキンパックの特徴

スキンパックとは、主に食品を対象にした真空包装の1つです。
トレイなどのボトム材に食品を設置し、その上から熱したトップ材(フィルム)をかぶせ、下から空気を抜く要領で食品を真空パックします。
例えば生肉の場合、一般的なトレイラップ方式の消費期限が35日間ほどであることに対し、スキンパックの消費期限は約16日間。
消費期限が長くなることで、家庭での生肉の取り扱いが楽になるだけではなく、広い目で見れば、昨今問題視されている食品ロスの問題解消にも役立ちます。

スキンパックのメリット

スキンパックの最大の特徴は、包装された食品の消費期限が大幅に延びることです。
すでに説明した通り、生肉であっても実に約16日もの期間、特に安全上の問題なく食すことができるようになります。
また、包装された食品からドリップ(旨み成分となる水分)がしみ出ることもほとんどありません。
冷蔵庫等で保存中、旨みを残したまま肉が熟成されていくため、より美味しい肉を安全に食卓へ届けることができます。

スキンパックのデメリット

スキンパックに限りませんが、一般的に包装機の初期導入コストは高めです。
詳しくは後述しますが、スキンパック包装機の価格は、ボリュームゾーンで300万円ほど。高額な機械ですので、導入に際しては、しっかりと各メーカーの各機種を比較検討する必要があります。
また、こちらもスキンパックに限りませんが、包装内部の空気を抜いて真空状態にする以上、空気を含む食品には向いていません。
パンやケーキ、カステラなどを包装する際には、ピロー包装などの別の包装方法を選ぶ必要があります。

 

一般的な真空包装の特徴

一般的な真空包装とは、対象商品を詰めた袋から空気を吸引し、真空に近い形で商品を包装する方法です。
包装の内部を真空にするという点ではスキンパックと同じもの。
しかし、スキンパックでは肉の水分(ドリップ)がほとんどしみ出して来ないことに対し、一般的な真空包装ではドリップがしみ出しやすい傾向にあります。
他にも、スキンパックではボトム材やトップ材としてトレイやフィルムを使用することに対し、一般的な真空包装では袋を使用する点で異なります。

一般的な真空包装のメリット

スキンパックと同様に食品を真空でパッキングできるため、酸素に触れる時間が短くなることから、食品の鮮度を長期間にわたってキープできる点がメリットです。
すでに調理済みの商品を真空包装すれば、湯煎で加熱するだけで食べられるようになるなど、消費者の利便性や時短にも貢献する包装方法です。

一般的な真空包装のデメリット

スキンパックと同様に、やや高めの初期導入コストがかかる点はデメリットの1つとなるでしょう。
また、生肉を包装した際スキンパックとは異なりドリップが流出しやすい点も、一般的な真空包装のデメリットとして挙げられます。

 

深絞り包装の特徴

深絞り包装とは、ボトム材とトップ材の2種類のフィルムの間に商品をはさみ、空気を抜きながらフィルムを熱で接着していく包装です。
ハムやウィンナー、カニかまぼこ、サラダチキンなどに用いられている包装方法と言えば、イメージできるのではないでしょうか。
ボトム材には内容物にあわせたくぼみが作られ、作業者がそのくぼみに商品を設置すれば深絞り包装が自動的に完結します。

深絞り包装のメリット

深絞り包装も食品を真空状態でパッキングする方法ですので、一般的なトレイラップ方式に比べて、食品の鮮度を長く保てる点がメリットです。
更に調味液と食材をあわせた状態で深絞り包装をすれば、浸透圧の高まりによって、短時間で調味液を食材へ浸透させられる点もメリットと言えるでしょう。

深絞り包装のデメリット

深絞り包装では、ボトム材のくぼみに作業者が食品を設置するという一工程があります。
全自動でパッキングできるわけではなく、どうしても一定の人員が必要です。パッキングの効率化・商品の量産・人件費などの点で、導入企業には課題が生じる可能性もあるでしょう。

 

MAP包装の特徴

MAP包装とは、トレイ状の容器の中に食品等を置き、空気を別のガスと入れ替えながらフィルムで蓋をする包装方法です。
主に使用されるガスは窒素、二酸化炭素、酸素など。包装する商品の性質に応じ、用いられるガスの種類が異なります。

MAP包装のメリット

食品の性質に応じたガスを包装内部に充填することから、酸素等の影響による劣化スピードを遅くすることが可能になります。
保存期間を延ばせるようになるため、広域での流通が可能となったり、食品ロス解消の一助となったりなど、様々なメリットを得られることでしょう。

MAP包装のデメリット

食品の劣化防止に役立つガスを充填したとしても、真空系の包装方法とは異なり、包装内部から酸素を完全に抜くことはできません。
微量に残った酸素の影響により、食品の劣化やカビの発生を招くことがあります。
残留した酸素の影響を少しでも抑えるためには、包装の内部に脱酸素剤を配置することが有効です。
しかし、11つの商品の中に脱酸素剤を置くには、相応のコストがかかることも考慮する必要があります。

 

包装機の導入コスト

包装機は、主に工場などを対象として長期的な使用を前提とした専用設備である以上、決して導入コストは安くありません。
もちろん、性能や大きさ、メーカーなどにより安価な機種もありますが、大量生産を前提とした場合には、あまり安価な機種を選ばないほうが良いでしょう。
実際に販売されている包装機の価格帯は、1台につき数万円~1500万円ほど。機種によって非常に大きな価格差があります。
1つの目安として、例えばスキンパック包装機の場合であれば、1台につき300万円ほどの導入コストになると考えておけば良いでしょう。

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